生体機能触媒研究チームについて


生体機能触媒研究チームは、自然界の洗練されたエネルギー変換機構を理解することで、地球環境と調和した持続可能なエネルギー変換技術を実現することを目指しています。当チームでは、生体機能に着目した触媒材料の開発、および生体触媒を用いた物質生産システムの構築に取り組んでいます。

具体的には、光合成生物が行っている、太陽光エネルギーを用いた水の酸化反応や二酸化炭素還元などの仕組みからヒントを得て、水を化学資源として利用するのに不可欠な水分解触媒を地中に豊富に存在する元素のみから開発することに成功しました。

また、当チームでは、太陽光に支えられた生態圏のエネルギー変換のみならず、深海底にみられる独特な化学エネルギー変換システムを模倣する研究も行っています。太陽光が届かない深海底では、海底に豊富に存在する元素が化学触媒として働き、化学・熱・電気的なエネルギーを相互変換する、複雑で洗練された生態システムが構成されています。光合成の理解から光エネルギー変換技術が発展してきたように、深海底の暗闇の中でみられるこの優美でユニークなシステムを理解することで、基礎科学研究に新たな道を示し、エネルギー技術の発展に寄与することを目指しています。


研究テーマ: 水分解触媒、微生物の細胞外電子伝達、深海熱水噴出孔生態系における電気化学

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